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COMMENT

  • 香港返還前、若者たちの最後の叫び、躍動。
    この青春の風景は、懐かしいようで、新しい。
    これはまさに「時代」が作らせた映画であり、
    この独特の瑞々しさを現代で表現することは不可能だと思います。

    映画監督
    石井裕也
    『舟を編む』『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』
  • 久しぶりに見ても色褪せないどころか、色褪せてからが本当だった。
    薄汚れて、日に焼けて、嫌になる程見えたのは、紛れもない色だった。
    思わず、それが「青春」とか言ってしまいそうになった。

    ミュージシャン
    尾崎世界観
    ロックバンド「クリープハイプ」ボーカル・ギター。
  • 同じ作り手にも、その時代、瞬間、面子でしか成し得ない名作が存在する。
    『イージーライダー』『悪魔のいけにえ』……
    若さはあらゆる不遇を越えて普遍的な輝きを掴み取り、世界を切り開くのだ。

    映画監督
    清水崇
    『こどもつかい』『呪怨』
  • リリカルで刹那で、やる瀬ない。最高のチンピラ映画だ!
    主人公の佇まいが美しくて、スポーツ刈りのヒロインはどうかと思っていたが大好きになってしまったし、
    薄らバカの子分も愛らしかった。

    漫画家
    古泉智浩
    『青春★金属バット』『ライフイズデッド』
  • 物語は大体がひょんなことから始まる。
    変わらない日常の中で突然何かを得たり、何かを失ったりする。
    それを1番経験する時のことを青春と呼ぶのかなと思います。
    たとえ残酷な結末が待っていたとしても輝いていたそのひと時はかけがえのない青春だったんだと思いました。

    俳優
    伊藤沙莉
    『獣道』『パンとバスと2度目のハツコイ』『榎田貿易堂』(6月公開予定)
  • 誰しも、忘れられない青春映画を心のなかに持っている。
    私にとって、高校時代に出会ったこの映画こそ、まさに自分だけの青春映画だった。
    そしてサム・リー演じるチャウは、私が初めて出会った等身大のヒーローだった。

    エディター&ライター
    月永理絵
    『映画酒場』の編集・発行人。雑誌『映画横丁』編集人。
  • 香港返還という歴史的な画期を直接・間接に扱った映画作家は少なくないが、
    フルーツ・チャンほどこのテーマと徹底的に付き合った者はいない。
    とりわけ「メイド・イン・ホンコン」には香港人の深層心理がぎっしり詰まっている。

    日本映画大学教授・映画学部長
    石坂健治
    東京国際映画祭「アジアの未来」部門プログラミング・ディレクター
  • 素直に羨ましい!と思いました。
    経験や計算ではなく‘その時代‘‘その瞬間‘にしか出せない表現力。
    スクリ―ンから溢れ出すエネルギ―に、鑑賞後、自分もチャウ達と“共に生きた”という感覚をおぼえました。

    俳優
    葉山奨之
    『青空エール』『きょうのキラ君』 TV「セトウツミ」
  • 狭い団地から抜け出し、彼らと見たものは、青く、無垢なエネルギーに満ち溢れた世界だった。
    老いることの無い彼らに、いつも勇気づけられる。そうだ。落胆することはない。
    世界は若者のものだ。

    映画監督
    藤村明世
    『見栄を張る』『十年 Ten Years Japan』
  • 終わらない夢精と汗と血が彼らの青春を証明してくれていた。
    ベリーショートの彼女が取り出した『変な袋』から漂う死の匂いが映画を覆い尽くすけれど、
    それは全く悲しくない!それがすごい。

    映画監督
    岩切一空
    『花に嵐』『聖なるもの』
  • アイデア満載の演出が全てに行き届いているのに、あざとくなくピュア。
    メローだけどエネルギッシュでキュート。フルーツ・チャン監督、憎いです。
    僕が欲しいものばかりが詰まっていました。ほんと勉強になります。

    映画監督
    小林啓一
    『逆光の頃』『ぼんとリンちゃん』
  • 1997年7月は僕ら華僑に取っても特別な日であり、2018年現在
    香港で聞こえてくる北京語に幸せを感じざるを得ません。
    そんな事を考えさせてくれた『香港製造』は自分にとって生涯忘れる事の無い一作になりました。
    素晴らしい映画に、謝謝!

    俳優
    テイ龍進
    『スマグラー』『風に濡れた女』『図書館戦争』
  • この二十年で、確かに、香港は変わった。
    でも、ジャンク寸前のフィルムに焼き付けられた3人の眩しい笑顔は、あの瞬間のままだ。

    映画評論家
    くれい響
  • 最初から最後までずっと熱い作品。
    主人公のチャウをはじめ、登場する人たちの力強くて真っ直ぐ生きていく輝きが眩しかったです。
    スタイリッシュでかっこいいこの作品を自分の言葉で表すのが難しい。
    とにかくこの映像が頭から離れません!

    俳優
    高杉真宙
    『散歩する侵略者』『逆光の頃』『PとJK』

INTRODUCTION

青春映画の不朽の名作が、
20年の歳月を経て
《4Kレストア・デジタルリマスター版》で甦る!

 1997年、中国返還直後の香港で、新人監督による一本の低予算&ノースター映画が公開された。まったく演技経験のない素人の主演俳優と、たった5人のスタッフ。そして、知人から借りた8万ドルの制作費と、名優アンディ・ラウから譲り受けた4万フィートの期限切れのフィルム――。その35mmフィルムに焼き付けられたのは、香港人が抱える心情とシンクロする現代社会の閉塞感であり、複雑な家庭環境で生まれ育った少年少女の純愛物語。そして、行き場を失った主人公の感情が爆発した後に訪れる、衝撃的かつ美しいラスト。そんな眩しいほどの青春の瞬間と、スタイリッシュな映像×音楽の融合だった。
 まさにリアルな香港の姿を捉え、瞬く間にセンセーショナルな話題を呼んだ作品は、メジャー大作を押しのけ、半年間のロングランヒット。自主レーベルからリリースされたサントラも異例のヒットを記録したほか、香港電影金像奨(アカデミー賞)ではグランプリ・監督賞・新人俳優賞の3冠に輝いた。またその勢いは海外の映画祭でも認められ数々の賞を受賞、イギリスのインディーズ映画を代表する青春映画『トレインスポッティング』に続く、香港インディーズの存在感を示す青春映画として世界の注目を集めるなど、まさに“香港映画史を変える伝説”となった!
 あれから20年、あの青春映画の不朽の名作『メイド・イン・ホンコン/香港製造』が、「4Kレストア・デジタルリマスター版」で甦る!!

イントロダクション

 たった1作で、次世代を担う俊英として注目され、続けて「香港返還三部作」として、『花火降る夏』(98年)、『リトル・チュン』(00年)を発表。さらには、ハリウッド進出も果たしたフルーツ・チャン監督。そして、街中でスケボーをしているところを監督にスカウトされ、主人公の青年・チャウを演じたサム・リー。時代を象徴する若者のアイコンとして人気を博し、『ジェネックス・コップ』シリーズなどの大作・話題作に出演。また、ファッションリーダーとしてモデル活動やラッパーとしても活躍するほか、松本大洋の人気コミックを実写化した『ピンポン』では主要キャラを務めるなど、日本でも多くのファンを獲得。彼らはまさに、“ホンコン・ドリーム”を手にすることになった。

イントロダクションイントロダクション

 今回の「4Kレストア・デジタルリマスター版」は、イタリア「ウーディネ・ファーイースト映画祭」のオーガナイザーであるサブリナ・バラティが、“香港映画史を代表する一本”として選定。フルーツ・チャン監督と撮影を務めたオー・シンプイ指揮の下、3年の歳月をかけて制作された。そして、17年7月の本映画祭での上映に先駆け、4月の「香港国際映画祭」で初お披露目となった香港では、返還20周年にあたる7月1日からリバイバル公開。14年の雨傘革命(香港反政府デモ)を経て、社会が大きく揺れ動くなか、ふたたび大きな話題を呼んだのは言うまでもない。

イントロダクション

 また、ジャパンプレミアとなった「第30回東京国際映画祭」では、前年、大きな話題となった『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』と同じアジアの名作を紹介する「ディスカバー亜州電影」に取り上げられ、計2回の上映チケットは即日完売した。初公開時に熱狂した映画ファンはもとより、当時を知らない若者層の心をもつかみ、時代や世代を超える“圧倒的な作品力”を魅せつけた。

■1997年ロカルノ国際映画祭審査員特別賞・欧州芸術映画館連盟大賞・欧州青年観客賞
■1997年ナント三大陸映画祭グランプリ・青年審査員賞
■1997年ベルギーNOVO映画祭グランプリ・監督賞
■1997年スペインGIJON国際青年映画祭グランプリ・最優秀脚本賞
■1997年釜山国際映画祭国際批評家協会賞
■1998年香港電影金像奨グランプリ(最優秀作品賞)・最優秀監督賞・最優秀新人俳優賞
■1998年台湾金馬奨監督賞・オリジナル脚本賞

STORY

行き場を失った少年少女の激しくも美しい衝動を、返還直前の香港の街の息吹きとともに、
リアルかつスタイリッシュに描いた青春ストーリー

 1997年、中国返還目前の香港。中学を中退し、黒社会メンバーであるウィン兄貴の借金の取り立てを手伝っている青年・チャウ(サム・リー)。中国大陸出身の愛人のもとに走った父の家出後、低所得者用公団にパート勤めの母と二人暮らしの彼は、富裕層の学生たちに虐められる知的障がい者のロン(ウェンダース・リー)の兄貴分として、彼を守っていた。ある日、チャウは借金の取り立てに行った公団で、ベリーショート姿が魅力的な16歳の少女・ペン(ネイキー・イム)と出会う。

 一方、飛び降り自殺した女子学生・サン(エイミー・タム)の現場に偶然立ち合ってしまったロンは、彼女の血に染まった2通の遺書を拾っていた。ペンと再会した病院で、それを手にしたチャウは、その晩からサンの夢を見ては、夢精する不思議な現象に襲われる。そこで、チャウは「友達になってほしい」と言うペンとロンを連れ、サンの遺書を宛先が書かれた相手に渡しに行くことを決意。1通目は彼女と付き合っていた恋人。彼は彼女が通っていた女子校の体育教師だったが、遺書の内容を見ずに破り捨ててしまった。残る1通は彼女の両親宛てだったが、家の様子を伺っているときに彼らに見つかった3人は、思わず逃げ出してしまう。だが、そのときペンが腎臓病に侵されており、移植手術ができなければ、余命わずかということをチャウは知ることになる。

 その日から、ペンに対する想いが愛情に変わったチャウは、彼女のために臓器移植のドナーになり、母親から盗んだ金で彼女の手術費と家の借金を肩代わりしようとするが、それを知った母親が家を出てしまう。その後、ペンを入院中の病院から連れ出し、高台にある墓地に行ったチャウは、「私が死ぬとき抱きしめて」と言うペンに対し、優しくキスをする。そして、彼はかねてからウィン兄貴に言われていた中国大陸から来た商売敵の“殺し”を引き受ける。
だが、それは彼らにとって、悲劇の始まりでもあった――。

“世界は君たちのもの、そして私たちのもの。しかし最終的には君たちのものだ。
君たち若者は気力旺盛で、活気にあふれている。まるで朝8時の太陽のようだ。
私たちの希望を君たちに託したい”
――毛沢東(1957年・モスクワにて)

CAST

チャウ 役
サム・リー(李璨琛・撮影当時は李燦森)

1975年9月27日生まれ。香港出身。97年、フルーツ・チャン監督にスカウトされ、本作『メイド・イン・ホンコン/香港製造』で俳優デビュー。第17回香港電影金像奨にて最優秀新人賞を受賞し、その後は『ジェネックス・コップ』シリーズ(99年・00年)、『レジェンド・オブ・ヒーロー/中華英雄』(99年)などで、ニコラス・ツェー、ダニエル・ウーらと並ぶ、次世代香港スターの一人として活躍。また、自身のオリジナルブランドを立ち上げるほか、モデルやラッパー、DJなど、その活動の幅は多岐に渡る。また、02年に中国人選手役で出演した日本映画『ピンポン』(02年)でも存在感ある演技を魅せたほか、『無問題2』(01年)ではナインティナイン岡村隆史と共演するなど、日本での人気も高い。本作後に『花火降る夏』(98年)、『トイレ、どこですか?』(02年)、『ミッドナイト・アフター』(14年)など、コンスタントにフルーツ・チャン監督作に出演しており、これまでの出演作は100本を超える。05年には本名から芸名に改名した。

ペン 役
ネイキー・イム(嚴栩慈)

1981年2月27日生まれ。ベルギー出身。劇中同様、母親と公団暮らしだった15歳のときにフルーツ・チャン監督にスカウトされ、本作『メイド・イン・ホンコン/香港製造』で女優デビュー。初めての演技にも関わらず、素晴らしい演技力で注目を集めるものの、その後の出演オファーをすべて断り、服飾関係の道に進んだ。ただ、『リトル・チュン』(00年)では、サムとともにペン役でゲスト出演している。今回の「4Kレストア・デジタルリマスター版」公開にあたり、久々にマスコミの前に姿を現した。

ロン 役
ウェンダース・リー(李棟全・撮影当時は李棟泉)

1969年12月31日生まれ。香港出身。90年に特撮マンとして映画業界に入り、美術アシスタントなどをしていたところをフルーツ・チャン監督に説得され、本作『メイド・イン・ホンコン/香港製造』ではスクリプターを務めると同時に、俳優デビュー。その後、『OVER SUMMER』(99年)などの作品に出演するが、パン・ホーチョン監督との出会いを機に、彼のデビュー作『ユー・シュート、アイ・シュート』(01年)以来、『ドリームホーム』(10年)や『低俗喜劇』(12年)など、彼のすべての監督作で編集を務める。そのほかの編集担当作に、『ウィンター・ソング』(05年)、『ウォーロード/男たちの誓い』(07年)、『昴-スバル-』(08年)、『ウォーリアー&ウルフ』(09年)などがある。03年には『我的野蠻男友/My Sassy Boyfriend(日本未公開)』で、監督デビューも果たした。

サン 役
エイミー・タム(譚嘉荃)

8月20日生まれ。女優デビューとなった本作『メイド・イン・ホンコン/香港製造』出演後、ラジオ局主催による歌唱コンテストで優勝。それを機に、00年、2人組アイドル・ユニット「B2」のメンバーとしてCDデビュー。03年の解散後は、マルチタレントとしてTVの歌番組やバラエティ番組などで司会を務める。11年には歌手として復帰し、16年に初となるソロCDをリリースした。17年には『同囚/With Prisoners(日本未公開)』に出演したほか、チャリティ活動にも多く参加している。

STAFF

監督・脚本
フルーツ・チャン(陳果)

1959年4月15日生まれ。中国・広東省出身。81年から香港フィルムカルチャーセンターで映画を学び、84年にゴールデンハーべスト社に入社し、多くの作品で助監督や製作コーディネーターを務める。91年の『大閙廣昌隆/Finale in Blood(日本未公開)』に続く、監督2作目『メイド・イン・ホンコン/香港製造』は当初、一般公開のメドがつかなかったが、ロカルノやナントなど国際映画祭での高評価が後押しに。結果、第17回香港電影金像奨で、最優秀作品・監督・新人賞の3部門を受賞する。「香港返還三部作」後は、「娼婦三部作」となる『ドリアンドリアン』(00年)、『ハリウッド★ホンコン』(01年)、『トイレはどこですか?』(02年)のほか、『美しい夜、残酷な朝』のエピソード『香港篇:dumplings』(04年)や『ミッドナイト・アフター』(14年)などを発表。10年に中田秀夫監督作『女優霊』のリメイク、『THE JOYUREI 女優霊』でハリウッド進出した彼の最新作は、マックス・チャン主演のアクション『九龍不敗/The Invincible Dragon(日本未公開)』(18年)。

撮影
オー・シンプイ(柯星沛)

1956年11月4日生まれ。中国・広東省出身。香港フィルムカルチャーセンターで映画を学んだ後、ツイ・ハーク監督らの勧めから映画界に進み、『ミッドナイトエンジェル~暴力の掟~』(80年)のほか、『悪漢探偵』(82年)、『サンダーアーム/龍兄虎弟』(86年)などの助監督を務める。本作『メイド・イン・ホンコン/香港製造』以降は、撮影マンとしての活動が主流となり、『ハリウッド★ホンコン』(01年)、『イップ・マン/序章』(08年)、『燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘』(10年)など、数々の話題作を手掛けている。また、86年に監督デビューし、『ゴールデン・スワロー/魔翔伝説』(87年)などの作品を発表している。

撮影・音楽
ラム・ワーチュン(林華全)

1960年7月10日生まれ。香港出身。香港フィルムカルチャーセンターで映画を学んだ後、ショウブラザーズ社などの特撮マンとして活躍。その後、本作『メイド・イン・ホンコン/香港製造』を経て、『ハリウッド★ホンコン』(01年)や『花火降る夏』(98年)などのフルーツ・チャン監督作で撮影と音楽を担当。02年には、後に『イップ・マン』シリーズの監督となるウィルソン・イップを主演に迎えたインディーズ作品『走火槍/The Runaway Pistol(日本未公開)』を監督するほか、フルーツ・チャンがプロデューサーを務めた『桃色 Colour Blossoms』(04年)では編集も担当している。

製作総指揮
アンディ・ラウ(劉德華)

1961年9月27日生まれ。香港出身。80年代から30年以上に渡り、香港エンタメ界を支え続ける、国民的スターである彼は、91年に自らの映画プロダクション「チームワーク(天幕)」を立ち上げ、『アンディ・ラウの神鳥伝説』(91年)や『アンディ・ラウのスター伝説』(93年)などを発表。その一本としてプロデュースした本作『メイド・イン・ホンコン/香港製造』の成功を機に、才能ある若手監督のプロデュースにも力を入れ始め、02年には「Focus Films(映藝娛樂)」を設立。自身の主演作のほか、ニン・ハオ監督(中国)による『クレイジー・ストーン~翡翠狂騒曲~』(06年)、ロビン・リー監督(台湾)による『靴に恋する人魚』(06年)、ホー・ユーハン監督(マレーシア)による『RAIN DOGS』(06年)、デレク・クォック&クレメント・チェン監督(香港)による『燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘』(10年)など、アジア各国の才能をサポートしている。

TRAILER